タバコの煙には3大有害物質(ニコチン、タール、一酸化炭素)をはじめとして、4000種類以上の化学物質、200種類以上の有害物質、さらには70種類以上の発がん物質が含まれています。
タバコの煙には3大有害物質(ニコチン、タール、一酸化炭素)をはじめとして、4000種類以上の化学物質、200種類以上の有害物質、さらには70種類以上の発がん物質が含まれています。
喫煙者は、がん、心臓病、脳卒中、肺気腫、喘息、歯周病などの病気になりやすく、かつ進行が早いことが知られています。まさにタバコは100害あって一利なしです。
喫煙は歯周組織(骨や歯肉)を激しく破壊し喫煙者は非喫煙者に比べ2~8倍で歯周病にかかりやすくなります。このような喫煙に起因したケースは「喫煙関連歯周炎」と分類され、その治癒には禁煙が必須となります。
歯周病が喫煙と関連性が強いことは多くの研究により支持され、喫煙は糖尿病と並んで歯周病の二大危険因子となります。
すなわち一酸化炭素やニコチンなどによる免疫能・微小循環系・好中球機能・サイトカイン産生などへの影響により、歯周組織における宿主応答(抵抗性)や治癒に悪影響を及ぼします。
その結果、喫煙者では歯周炎が進行し、そればかりではなく歯周病の治療への反応や歯周外科手術の経過が不良になることもはっきりしています。
禁煙の効果を実証するための研究として1997年Grossi らの研究で、3群の歯周炎患者(非喫煙者28名、前喫煙者55名、喫煙者60名)において局所麻酔下での歯周病治療に対して、処置前と治癒後(処置3カ月後)の臨床的、細菌学的治療効果が比較されています。
結果として非喫煙者と前喫煙者ではほぼ同程度の治療による改善を示したのに対して、喫煙者群は、歯周ポケット減少量および減少率や臨床的アタッチメントレベル獲得量及び歯周病関連細菌のレッドコンプレックスの1つであるPorohyromonas gingivalisの検出率は、他の2群に比べ有意に悪化していました。
従来、喫煙の蓄積効果のリスク(歯周病の場合、歯の喪失リスク)が禁煙により非喫煙者のレベルまで減少するのに5~10年必要であることが示唆されています。
ですから、喫煙関連歯周炎はまず禁煙を行うことが歯周病治療の第一歩となります。